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2014年12月16日 (火)

【さらば石原慎太郎氏】引退会見 次世代の党比例区で破れ

1968年参院選全国区300万票一位は、鮮烈なデビューであった。その自信は常にあったと思う。石原票を次世代の比例区の9位に搭載して票を注ぎ、党の応援にしたいと思ったが、そうはいかなかった。C・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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01 次世代の党は、一位の山田宏さえ当選できなかった。自民党以外の党は、投票率の低さに、いわゆる無党派の人が投票に行かなかったということだろう。
 石原慎太郎の最後が、こんな終わり方では、チョット淋しい。高倉健がなくなったときのコメントが、弱々しかったから、強き慎太郎でなく、慎太郎の芯の部分にあるモノが見えた気がした。

 それは、石原慎太郎高校1年のエピソードと、何か通じるものを感じる。
学生運動が盛んになろうとしていた昭和23年に、民主学生同盟にいち早く入り、学内に社会研究会を作った。日本共産党へのヒロイックな気持にかられていた時、
 母は“大衆のために両親や弟を、そして地位も財産も捨て、獄につながれても後悔しない自信があるなら、私は反対しないが、その覚悟をしてほしい。それならお父さんが、どんなに反対しても、私は賛成する” この言葉にそのあくる日から彼は学生運動を離れている
。”— サンデー毎日1956年9月9日号『五つの道をゆく“石原慎太郎”批判』

● 「晴れ晴れと政界去れる」
 石原慎太郎前衆院議員(次世代の党最高顧問)は16日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、「今度の選挙で(落選という)結果になって、私は引退を決心した」と、政治活動からの引退を表明した。
 「歴史の十字路に何度か自分の身をさらして立つことができたことは政治家としても物書きとしてもありがたい経験だった」と語り、「欣快として、わりと晴れ晴れとした気持ちで政界を去れる」と語った。

会見の詳細は以下の通り。
 「皆さん、こんにちは。僭越でございますが、大してニュースバリューもないこの私が個人の資格で皆さんにこうやって大がかりな記者会見を申し込んだ理由は、私も延べ50年以上政治に携わってきたが、結局、今度の選挙でああいう結果になって、私は引退を決心した。ただ、(衆院選の)開票日に、いってはいけないが、自宅にまで浅薄なメディアの先兵が押しかけて、歩く途中もマイクを突きつけて『一言、二言』と(コメントを求められた)。そこで、後にゆっくり話させてくれということで、日本記者クラブにご厚意いただいて、この機会を設けさせていただいた。私が申し上げたいことを端的に申し上げて、皆さんに批判をいただきたい」

見回せば、国会議員最高齢
 「結論から言えば、かねがね私はこの解散が決まったときに、選挙をきっかけに引退をするつもりだった。私自身も肉体的にひびが入ったりもして、見回してみると国会議員の中の最高齢者になった。これ非常に皮肉な話だ。かつては奥野誠亮さんという尊敬していた大先輩が、90歳を過ぎるまでかくしゃくとして国会議員を務められたそうだが、とても私にはその自信も能力もないので、これをきっかけに引退ということを声明しようと思った」
 

 「仲間(次世代の党)が『今引退されると党、選挙の趨勢に悪い影響を与えるから思いとどまってほしい』ということだった。特に若い議員からは連判状などもいただいた。いろいろ勘案して、選挙前に私が引退を声明することは仲間のためにもよろしくない、と判断した。それならば皆さんと、とにかく戦うと決心した」 

 「いずれにしても私は引退を覚悟で戦いをするわけだから、討ち死にを覚悟の出陣で、東京比例の順位は一番最後し、党の方も受け入れてくれた。ある意味で結論(落選)は知れているので、仲間の応援に駆け回った。風邪をひいたりして肝心の名古屋の大きな大会には出席できなかったが、仲間に対する義理だけは最低限、果たせたな、と思っている」 

●落選で討ち死には1つの宿命
 「私の実家の石原家は、武田武士の残党だった。武田家は(織田)信長に滅ばされて雲散霧消した。武田の赤備えというのは戦国時代有名だったそうで、武田武士を争って3つの藩が抱えたそうだ。1つは毛利藩、1つは井伊藩、もう1つは伊予藩だった。私の先祖は甲州から追われて伊予藩に抱えられたそうだ」
 

 「かつての時代に弓矢の武功で禄を食んでおって、家の家紋は黄金分立のきかない『7つ矢』だ。珍しい家紋だ。正月に赤塗りのお膳で家族そろって雑煮を食べたりするときに、据えられたお膳に『7つ矢』紋が記されている、と印象深く覚えている」 

 「母の方の略紋は三ツ矢サイダーに似た3つの紋だったが、7つの紋はなかなか日本に珍しい家紋で、私もいわれを聞かされて子供心にプライドを持っていた。石原家の弓で勝ち取ったわが家の家訓は、『明日の戦 己はむなしと心得べし』という。これは武士の家訓としてもなかなかいい家訓だなと思った」 

 「それを受けて私は討ち死に覚悟というか、本当なら引退を声明して退くべきだと思ったが、やっぱり仲間の若い武士たちのために自分も一緒に戦って、恥ずかしいことだが落選という形の討ち死にすることは 自分の1つの宿命かな、と思って決心をした。
私からこの選挙についてのかかわりについて申し上げることはそれだけだ」
 

●晴れ晴れとした気持ちで政界を去れる
 「振り返ってみると、参院の全国区から始まって、衆院を25年務め、インターバルをおいて、思うところあって、都知事に就任した。
 できるだけのことはやったつもりだ。政治家として、どの国も物書きが政治に参画、コミットするのは例がないわけではない。ゲーテとか、(フランスの)ドゴール(大統領)の文化相を務めた(アンドレ)マルローの例もある」
 

 「印象的だったのは、激しい最初の(都知事選)、自民党からの優秀な人材が5、6人、柿沢こうじ、明石康、ますぞえ要一、鳩山邦夫、石原慎太郎が出た選挙で、何とか都知事になった。13_6石原慎太郎 都知事当選の軌跡 
都知事戦 石原慎太郎VS黒川紀章: 
東京に冬将軍来る!明日は都知事選:  
都知事選に、共産党はなぜブレークしないか?
 マルローなんていう人は、縁があって日本に来られたときに2日ほどお会いして旅もした 印象的な人物だったが、アンドレ・マルローの未亡人から私に『知事になって頑張れ』という手紙をもらったのを覚えている」 

 「今までのキャリアの中で歴史の十字路に何度か自分の身をさらして立つことができたことは、私にとって、政治家としても物書きとしてもありがたい、うれしい経験だったという気がする。それをもって、私が欣快として今、わりと晴れ晴れとした気持ちで政界を去れるな、という気でいる。1つご理解いただきたい」 

質疑応答●
--今回の選挙では石原氏が落選の“討ち死に”をしたほか、次世代の会のほとんども“討ち死に”をした。もともと地盤の強かったベテラン2人だけしか生き残らなかった。この結果について。 

「『次世代の党』という党名そのものに私は異議を呈した。非常にわかりにくいというか、説明しなくてはなかなか意思が伝わらないネーミングだった気がする。私は小説家だから、自分としても自負しているが、小説の名前を付けるのは割とうまい方だ。政党の名前としてはどうも問題があるなと」 

「いくつか他にも案があった。昔、私たちがつくった『黎明(れいめい)の会』とか。それとこれは(次世代の党党首の)平沼(赳夫)君が言い出したと思うが、富士山の名前をとって『新党富士』
というのも良いじゃないかとね。でも、『ふじ』という名のリンゴがあるのでネーミングとしてバッティングすると」
「それから私が一番良いと思ったのはカタカナで『新党ヤマト』だ。これまた『宇宙戦艦ヤマト』というアニメがあって紛らわしい。私は本当は『新党ヤマト』でいけばよかったと思ったが、過ぎたことだから愚痴でしかない。ただ、やっぱり党名が浸透しにくい名前だった。(選挙戦の)時間がなかった」
 

■人生の中で彼と知己を得たのは快事の一つ
Kj「維新の会と一緒だったが、分党になった。分党するときに、橋下(徹)くんと肝胆相照らした。私の人生の中で、彼と知己を得たのは快事の一つだと思っているが、やっぱり大阪維新の会が発売元本舗だから、『維新』の名前を私たちがひねって使うのは失礼だと思うし、遠慮した。
 結局、党員全体で投票して『次世代の党』という名前を選んで、この結果になった」

--橋下徹という政治家について、今後の彼の生き方も含め、どんな思いでみているか。
 「彼は天才ですね。私は絶対、彼は(衆院選に)出るべきだったと思っている。前日まで私は何度も電話をして口説いた。彼は彼なりの言い分で、『自分はちょっと風呂敷を広げすぎたから、これを畳まなくちゃいかん』と。風呂敷って何か。大阪都構想ですよ。よくわかりにくい言葉だが、つまり東京に並ぶ大都市である大阪の復活ということだ」

 「私は大阪が衰退するということは、日本の衰退だと思う。橋下君も感じていると思うし、安倍総理にしても自民党の政治家も、大阪というものをもう少し持ち上げないと、日本のバランスが取れないと痛感していると思う」

 「橋下君はそれを念願するんだったら、国会に出てくるべきだ。安倍君とも(菅義偉)官房長官とも親しい仲らしいし、そういった人脈を通じて、とにかく国会で内閣を動かさないと大阪は持ち上がってこない。僕は絶対、彼は出るべきだったと思う」

--橋下徹という政治家について、今後の彼の生き方も含め、どんな思いでみているか。
 「彼は天才ですね。私は絶対、彼は(衆院選に)出るべきだったと思っている。前日まで私は何度も電話をして口説いた。彼は彼なりの言い分で、『自分はちょっと風呂敷を広げすぎたから、これを畳まなくちゃいかん』と。風呂敷って何か。大阪都構想ですよ。よくわかりにくい言葉だが、つまり東京に並ぶ大都市である大阪の復活ということだ」

 「私は大阪が衰退するということは、日本の衰退だと思う。橋下君も感じていると思うし、安倍総理にしても自民党の政治家も、大阪というものをもう少し持ち上げないと、日本のバランスが取れないと痛感していると思う」

 「橋下君はそれを念願するんだったら、国会に出てくるべきだ。安倍君とも(菅義偉)官房長官とも親しい仲らしいし、そういった人脈を通じて、とにかく国会で内閣を動かさないと大阪は持ち上がってこない。僕は絶対、彼は出るべきだったと思う」

 --しかし出なかった。
 「出なかった。本当に残念だ。私は彼に『君は大阪の井戸の中にいて、なかなか大海が見えていない。一回、井戸から出て、国会議員になって、日本を全部眺めろよ』と言ったが、残念ながら忌避した」

 --橋下氏は総理になる器か。総理になる可能性はあるか。 「僕はあると思う。あんなに演説のうまい人をみたことない。言葉の調子は違うが、田中角栄だね。若いときの。
 それから例が良くないかもしれないけど、彼の演説のうまさ、迫力というのは若いときのヒトラーですよ。ヒトラーは後にバカなことをしたが」

 「ドイツの外交官が『石原さん、ヒトラーは悪名を被っているが、若い時にやったことは間違っていなかった。ただ、ユダヤ人を偏見で虐殺したことは許せないが』と言っていた。
 私はその言葉を是とするし、橋下徹ってのは彼に該当する政治家だ。惜しいことをしたなあ。彼は必ずもう一回でてくるだろう。再登場すると思う。させなきゃいかんですよ」

 --石原氏は(前東京都知事の)猪瀬直樹氏に副知事を経験させ、後継に指名したが、(医療法人徳洲会グループから)5千万円の提供を受けて問題になった。誤算だったか。

 「それはわからないが、私は彼を評価している。物書きのくせにあんなに数字に精通して、数字の虚構を見破ることできる男を私は知らなかった。それから役人が体裁の上でつく嘘を見破るのも非常にうまい。彼は日本でも一流のノンフィクション作家だったから、そういうリサーチ能力は非常にあった。非常に惜しい人を失ったと思う。東京のためにも大きな損失だった」

 --その5千万円をいただいた相手は(「徳洲会」前理事長の)徳田虎雄氏だった。徳田氏はもともと石原さんのファンであり支持者だったが、違和感はなかったか。
 「むしろ私が徳田さんのファンだ。彼は本当に日本のシュバイツァーといっていいのか、見事な志を持った大事業家だと思う。日本の医師会が彼に反発し、自民党が彼をボイコットしたのは間違いだと思う。彼だけの自己犠牲を踏まえて病院の経営で人を助けた人がいますか」

--猪瀬氏から石原氏に相談はなかったのか。
 「ない。個人の金融の問題ですから」

--数ある歴史の十字路の中で、忘れ得ない十字路は。
 「私は日本の国会議員として初めてアメリカの戦略基地を訪れた。(元首相の)佐藤(栄作)さんが向こうの国務省にはかってくれたんだろうが。佐藤ってすごい人だと思う。沖縄返還交渉で非核三原則を唱えながら、アメリカの大統領のジョンソンに『日本は核を持ちたい、日本の核について協力してくれ』って言って断られている。
 それを諦めた後、沖縄返還の時にニクソン(元米大統領)と丁々発止やりながら、ドイツと一緒に核開発をしようと思って話をもちかけている。これだけの大きな二枚舌を使った政治家はいないと思う」

 「私はそれで『アメリカの核の抑止力はない、アメリカの核の傘というのは全く信用できない』ということを暴いた。そのおかげで私は核保有論者にされたが、あの体験は日本に覚醒をもたらしたと思うし、自分にとっても歴史的な十字路に立ったポイントだと思っている」

--次世代の党が選挙戦で前面に打ち出したのは自主憲法制定だった。それに対する世の中の評価については。
「憲法は良い意味でも悪い意味でも、これだけ日本社会に定着してしまうと、国民の関心はあまりない気がする。本当に憲法を変えなくてはいけないと考えている人は、残念ながら希少な存在でしかなくなったと思う」
 

「皆さんもメディアの方々だから、文章について講釈するのはうるさいことだと思うが、あの醜い前文ひとつを見ても、間違いが非常に多い。私も最後の予算委員会で安倍(晋三)総理に話したが、言葉には助詞、動詞、形容詞、いろいろあり、助詞も非常に大事な要素だ。この助詞の間違いが前文にたくさんある。
 例えば『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して』という部分だが、人にお金を貸すとき、『あなたに信頼してお金を貸します』とは言わない。やっぱり『信義を信頼』だ」 
 

■選挙の結果は…勘弁してください
「かつてシェークスピアを訳した福田恒存さんと前文の話をしているとき、
『石原君、勘定してごらん。5つも6つも7つも8つも助詞の間違いがあるぞ』と言う。私も本当にその通りだと思う。9条を変えるとなると大事になるから、せめて『に』だけは国文学者を集めて、変えようじゃないかと総理に言った。
 それが蟻の一穴となって憲法を変えることができるんじゃないかと。安倍さんは残念ながら答えませんでしたな」

 --石原氏はかつては300万票を得票したこともある。その石原氏が比例で出馬しながら、これだけ集票が落ちた。
「私に対する投票じゃなく…。誰かが言っていたが、『比例の一番初めに石原さんの名前が挙がったらおそらく票数も違ったのではないか』と。でもそれはわからない。
 うぬぼれているわけじゃないから…。選挙の結果はいいでしょう。もう勘弁してください」 

 --今回の選挙で自公3分の2体制になったが、民意は何を示したと評価するか。
 「それを逆に明かしているのは共産党の躍進だと思う。
 なんというか、今回、共産党に多くの支持が集まったのは、いま自分たちを囲んでいるもろもろの社会的な現実に対する、みんなが漠として感じている現況への不満の社会心理学的なリアクションだと思う。何が不満かというと、色んな格差が出てきた」

 ●不満や不安がこの結果
 「例えば私たちがあえて『次世代』という言葉を使ったのも、これから日本を担っていく20代、30代の人にあまり希望がないからだ。
 結婚できない。しても子供をつくれない。
 なんていうかなあ、人生の黎明期にいる20代の人間が、自分の人生に対して大きな期待を持てない。そういう現象がある」

  「例えば経済一つにしても、私は新聞を読まずに主にテレビで情報を拾っているが、ニュースの度に、経済を評価する指標に株の値段があげられる。
 経済動向を測るメジャースティックに株の値段が真っ先に取り上げられる。私はあまり良いことじゃないと思う。ほとんどの人が株なんてやってない」
 

 「確かに株価は2倍になった。でも株価が何を表しているかというと、経済界の上層部、つまり上場を果たしている企業の内容だ。それだけをもって、日本全体が良くなっている、国民の生活が向上しつつある、そういった判定を下すには確かな指標にはならないと思う。その不満や不安がこの結果になった気がする」

  「それとメディアの怠慢だと思う。前から言ってきたが、なんで日本の会計制度を変えないのか。日本は単式簿記で大福帳の域を出ない。どんな国でも複式簿記ですよ。日本は国家の財政運営に財務諸表がない。バランスシートがない。そんな近代国家はないですよ。国家の体をなしている国で、日本と同じように大福帳の域を出ないのは、私の知る限り北朝鮮とフィリピンとパプアニューギニアぐらいですな」

  「メディアが頑張って、少し勉強して、声を起こして経済界が動いたらこの国は変わってくると思う。国の借金は1兆円近くあると言いながら、個人の持っている金融資本は1250兆円くらいある。このギャップが埋められない」

 石原慎太郎の失敗、偏向など言いたいこともあるが、黙って彼の言い分を記載した。

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