佐倉歴史民俗博物館03 支那事変第一回 特別報国債券
佐倉歴史民俗博物館の第6室に、何気なくポスターが並んでいるが、これも重要な歴史の証言者だ。これらは、国民を扇動して・・・一体何をしたか、忘れた人も多いが、知っている限り、言い残したい。
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予科練生募集、
台湾徴兵募集始まる、
撃ちてし止まむ、
たのむぞ増産。
人の心を一番煽り立てるのは、歌、「戦時歌謡」だが、次に具体的に行動に移るのはポスターからだ。
私の一番問題にしたいのは、特別報国債券のポスターだ。これは、国民の持っているカネをナンダカンダ言って、出させて、政府は紙くず同然にしてしまった点で、罪が深い。
当時の大蔵省の官僚が知恵を絞って考えて、国民には必ず利息をつけて返すからと“30年償還の国債”をペーパー商法のように買わせて、敗戦と共に二束三文の紙くずになっている。30年後の償還の昭和43年ころには、紙くずそのものだ。紙くずの昭和13年発行の債券が、好事家によって、690円で売っているようだ。
インフレがそうさせたのかもしれないが、戦争という消費のみを高める元凶に、政策を責任者が不在のまま、突っ込んでいった。この点を“忘れてはなるものか!”とひそかに思っている。他の人が忘れても。
司馬遼太郎の講演をテープで聞いたとき、「江戸時代のよさは、親の代の価値観、倫理感が孫の代でも変わらなかったから、お説教がストレートに伝わった。なぜかというと、物価が20年過ぎてもかわらなかったからだ」という話をしていた。この物価の値段が変動しないという意味が、その価値観の変動とつながっている。これは大事なことだろう。江戸時代を明治政府はボロンクにいうが、徳川の「いい点」だ。価値の変動は、人間の心を荒廃させる。
高度成長とか、高利回りとか、好景気は、収入は多そうに見えても、物価・価格が上がれば、手元の額面の価値が下がる。
昭和13年に発売された「支那事変特別国庫債券10円」(小券4枚付)を見てみよう。
米一俵60Kgの値段を調べて、この十円がどんな価値か、調べた。60kgは、一人が一年間で食べる量だと考えられる。
昭和7年米1俵(60Kg) 価格:8円20銭。10円86銭(買入価格)
昭和12年米1俵(60Kg)価格:10円。 12円70銭(買入価格)
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平成15年産米1俵(60Kg)価格:13,820円(買入価格)
平成19年産米1俵(60Kg)価格:13,162円(1等コシヒカリ)、12,532円(2等)、11,482円(3等)。
平成20年産米1俵(60Kg)価格:14,000円(安い品種)、15,000円~16,000円(コシヒカリ)農協の販売価格
●米で物価を考えると、
14,000円(平成20年)÷10円(昭和12年)=1400(倍)。つまり、米は約1400倍の物価の上昇している。10円の支那事変特別国庫債券は、今なら1万4000円の債券になる。
●別の尺度で考えると、
当時の月給が40円が平均だというから、今の中堅社員を30万円だとすると、上昇率は7500倍だ。10円の支那事変特別国庫債券は、今なら7万5000円の債券になる。
●また、当時、一戸建てが1000円で買えたから、今マンションでさえ3000万円で買えるかどうかとすると、3万倍だ。10円の支那事変特別国庫債券は、今なら30万円の債券になる。
当時の人は、10円の国債を今の感覚でいうと「一万4000円」と考えただろうか。そうは思わないような気がする。不急不要の債券は本音からいえば買いたくはなかったはずだ。隣組の視線、「愛国」というプレッシャーから買っただろう。今の7万円くらいの感覚ではないだろうか。
国民は、国が保障した預金のように信じていたが、政府、大蔵省は戦争は国民一体だから、国民からの借金を弾丸として敵陣に撃ち込む・・・つまり「(札束を)火つけて燃やしてしまう」のと同じで、なくなったものは返せるはずがない、と考えるかもしれない。戦争が終わったあとでは「一億総ざんげ」と言って、国民も政府と同じ立場だ、と戦争責任を負わせようとした。
米で考えると、主食だから米の価格上昇は抑えられていることになる。不動産は、バカ高くなっている。これは誰かがなんとかしなければいけない。ハコモノ行政でカネ使うのは、空気か気分にお金をつぎ込んでいる部分があるんだ。
冷静に考えたら、きっと、(八千代市でもめている新川の)橋一つつくるにも、図書館をつくるにしても、セメントと鉄骨、設計料を含めて、みんなでNPOをつくって協同で作ったらきっと1/10の値段で完成するに違いない。
ウチの親父が買っていた「大東亜戦争割引国庫債券」数百円分を見たことがある。子供が見ると、一見債券は高額紙幣にも見えるから、価値あるのだろうと想像した。これが、戦争に負けて、二束三文になってしまった。まだ「グリーンピア」の損失は、建物が残っているだけいいのか?
当時は各町内会の単位ごとに、強制的に購入をしないといけないというルールがあったようで、今のような任意とはいかず、隣組によって、個人情報マルのぞかれだった。男でありながら、出征していないと、肩身が狭いから、戦争協力という意味でも、貯蓄とかの代わりに「大東亜戦争割引国庫債券」を買って協力した。
昭和18年、19年ごろは、近所連帯を強いる無言の圧力で、庶民は窮乏生活の中で絞りとられていた。慰問袋を供出して、出征兵士の見送りをして、在郷軍人の指導で「消火訓練」「竹やり訓練」とか、必死で銃後の守りをやっていた。家のまわりには、火事の用心に水槽があり、天井には焼夷弾の火を消す砂袋を吊り下げてあった。
莫大な借金をして戦争をした、特に「日露戦争」はイギリスへ大蔵大臣高橋是清がでかけて、借金国債でカネを集めた。日本がロシアに勝てると思われていなかったので、金利を高くしないと、日本国債は買ってもらえなかった。この日露戦争時、日英同盟を組んでいたが、イギリスの「日本をけしかけてロシアと戦わせる」狡猾な計画にはまった。未だに、日本人は気付いていない。それが、結果的に日本が勝ってしまったから、イギリスあはりがたかったにちがいない。
日露戦争遂行のための(大借金である)ポンド建て日本国債は、借換債を発行しながら、82年経って1986年(昭和61
こんな莫大な借金のプレッシャーがあったから、日本は早く戦争は終えたかった。日本の財政逼迫の内情をロシアは知っていたから、和平交渉は難航した。
二百三高地の勝利、バルチック艦隊撃破した日本海海戦で、もう戦争は決着としたかった。しかし、ロシアは局地戦の「戦闘」には「負けた」かもしれないが、ロシア革命で戦争遂行がうまくいかなかっただけで、まだ体力はあるといきまいていた・・・それは、のちのロシアと日本の関係をみればわかる。
ロシアから賠償金が取れないで講和をしたから、国民はカンカンに怒って日比谷の交番を焼き討ちした。そんなわけだから、イギリスの仲介で、ユダヤから融通してもらった、ポンド建て日本国債の借金は、マルマル残った。高い戦争だったことを国民は知らなかった。年金 はじまり はじまり物語:
国債は商品というより、「借金の借用書」のようなもの。お金を貸す代わりに購入者は利息を受け取る。当然、莫大な量を発行した戦時国債にも、利付き国債という名で利息がつく。
そして、償還(満期)を迎えた国債は元本を返済する。それらを支払うために、日銀は無尽蔵に輪転機をまわしつづけて、お金が大量に出回り、お金はその価値を下げて、インフレを促進する。
それを統制経済と半強制的に国債購入させて、貨幣の流通量を制限するから、(短期的には)インフレを押さえ込める。集めたお金は、鉄砲の弾、大砲の弾で使ってしまい、消えてしまうのだから、そのカネがものを産むことはない。戦争では、モノを作れば(完全に)消費してくれるから、商社は大もうけしていた。戦争は景気がよくなり、ウハウハの体制側の思惑で行われる。
借金国債発行しても、インフレにしてしまえば、額面の金額の返済は「お茶の子、サイサイ」で、相対的に1/1000の返済で済む・・・という考えをする人がいる。室町時代の「徳政令」は、あまりに露骨の借金の棒引きをしたから、反発を食ったが、長~い償還期間、例えば80年、いや500年とかの期間を置いて、その間にインフレをやれば、1000兆円も、大したことない・・・と思う経済学者、経済官僚がいやしないか・・・と、そればかり心配している。
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